2016年11月23日
かばんのマチの破れと内張りのべとつきを修理しました
合皮でできた内張り、内袋は製造から2年程度すると分解が始まりべとつきが生じます
せっかく本体はきれいなのに内側がベトベトするため使えないという事例は多く
バッグのご相談の中でもけっこう多いです
今回はかばんの内張りがべとつくというご相談
バッグの内袋は同じパターンを採り、作成し縫い付ければよいのですが
内袋が引き出せない内張りタイプは修理するのにひと手間かかります
なのでほぼ分解です
触っただけでボロボロと剥がれてきます
ここはシャンタンや塩瀬で交換するか、革で交換するかです
今回は肌触りの柔らかい革で交換しました
マチの部分も切れてしまっていたのでこちらも新しく革を裁断しました
革は全て厚みが違うんです
だから元の革の厚みに合わせて機械で漉くんです
正方形で厚みを揃えて売っているものもありますけど、かざまクリーニングでは使用する頻度が多い革は半裁で仕入れています
半裁っていうのは牛一頭を横から見たシルエットの革です
1頭の半分です
ちなみに半裁の値段はオイルレザーとかヌメ革とかだと2万円~3万円ほど
バッグを作るとなったらそれに芯材とかDカンとかもかかりますから
バッグスクールとかレザークラフトとかって結構贅沢な嗜みなんだなぁと思います
表になるパーツを機械で漉いています
微妙な調整で床面を漉いていきます
そしてゴムのりで接着
ゴムのりは両面に塗って、乾く頃に合わせると接着力が強くなります
このあたりは靴底の接着と一緒です
靴に関しては履いていて剥がれないように、また剥がして交換することができるような接着剤を使っています
バッグをミシンで縫う時には元の縫い目を意識してひと針ひと針に集中して縫っていきます
これは縫い幅の設定はもちろんですが、右手左手を上手に使って針が進む瞬間に次の穴を意識して手を使う感覚
完全に全て縫い目をひろうことはできませんが、できる限り同じ穴に針を落としていきます
完成しました
今回は革を裁断するところから修理したので高額になってしまいましたが
状態によってはもう少し簡単に修理することもできますのでご相談下さい