2016年11月23日
昨日作業を終えた靴たちを宅配便で持ち主様に帰っていくのを見送ると
本日また新たなお困りのムートンブーツたちがやってきていました
良く見るとおそらく雨シミ(雨ジミ)ですね
ムートンブーツはここまでひどい状態になってしまってもきちんとメンテナンスクリーニングしてあげれば
革の状態もしっとりと戻りますし、汚れや雨ジミもけっこうきれいになるもんなんです
汚れの種類に応じて洗剤を使い分けるため、洋服に使用している洗剤や染み抜き剤も応用します
ムートンブーツは特に色が流れ出るものが多く、それをとめるためには事前の色止め準備と洗浄中の色止めが
必要不可欠なんです
靴、ブーツクリーニングにはブラシも使いますが、こすってしまったら痛んでしまう素材や汚れが
ひどい部分は超音波でこすらずにたたき出します
あまり長い時間はできないのです
なぜなら超音波は時間をかけると熱を発しますから、冷やしながら何度もトライするんですね
栄養剤に漬け込みながら殺菌消臭している工程です
これはムートンブーツではなくロガーブーツですが、笑
でもムートンブーツも同じ要領なんですよ
かざまクリーニングのムートンブーツクリーニングの仕上げに使用しているのは
あの有名なサフィールのスプレータイプの高級栄養剤
少しの色ハゲならばこれで直りますし、美容にも良いとされているアーモンドオイルを配合しています
仕上がり感は高品質なしっとり感を得られるので
これ、普通に1本買うと2000円します
みなさん普段ガシガシ履いていますけど、本当はムートンって繊細なんですよ、笑
だからせめて僕がたっぷり愛情をこめてクリーニングし、メンテナンスしてお返しします
そしてメンテナンスには「いいものを使う」これはかざまクリーニングのブランドにかけてこれからも
変わりません
もともとグレーートンブーツは大事はいていても色あせてしまいます
それでもクリーニングしてきちんと捕色メンテナンスすればきれいになります
最終的に落ちなかった汚れはこのゴムみたいなブラシや生ゴムで除去を試みます
そしてブラッシングして包装して出来上がりですね
一番上の雨ジミがたくさんついていたムートンブーツです
こんなにきれいに仕上がります
ムートンブーツは良くカビにも悩まされます
そんなカビはやはり洗わないことには除去できません
良く表面だけメンテナンスするようなグッズも売っているのですが
僕はそれでは気持ち悪いですね
ムートンブーツにカビが生えてしまった場合はカビの菌を殺すことが重要だと考えています
でもまだ卵の状態のカビの菌にはどうやら殺菌剤は効かないようなんです
でも、塩素系漂白剤になんか絶対につけてはなりません
革がボロボロになっちゃいますよ
あ、たまに勘違いされている方いらっしゃいますけど、ムートンは革ですよ!
ムートン調のブーツもよく見かけますけど、アグやエミューのブーツ、あれは本物のムートンですからね
家庭で普通には洗えませんよ!
かざまクリーニングではクリーニング後絶対にカビが再発しないとは言い切れないのですが
それでも、洗浄中に2種類の殺菌処理と乾燥時にもう一度スプレーでの処理を行っています
これで乾燥する過程で出てくるカビの芽をやっつけます
だからできるだけ濡れている状態をさけるため
こうやって風のみを送る工夫も必要なんですね
ムートンブーツは泥汚れもつきやすいですね
泥やスケールはゴシゴシ無理にこすっても落ちにくいよごれなんですよね
そして泥汚れに漂白剤は効きません!
もちろん革に漂白剤はNGなんですが、よく泥がついてしまった体操服なんかを漂白したら・・・
というご相談をいただくので書いておきますね
漂白剤は汗などの黄ばみには有効ですが泥汚れには効きません
泥汚れは水に溶けないんですよ!墨もそう、不溶性
もっと簡単に言うと、心のスキマに悪魔が入り込んでしまった状態
いや、笑 でもこのあたりは検索すればいっぱい出てきますもんね
泥汚れは物理的に描き出すしかないのでけっこう意外と大変なわけです
さて、個人的にムートンブーツは一時のブームかなぁと思っていたのですが
以外に毎年秋冬には根強い人気ですよね
で、夏はアグさんやエミューさんはどうやって商売しているの?
って思っていたわけです
それで夏に阿見のアウトレットモールへ行った時、アグさんにお邪魔したら衝撃の事実が
なんと夏用の靴もしっかり用意しているわけです
さすがアグですね
アグはムートンブーツだけではなかったみたいです
これからの展開も楽しみです
あ、最後にムートンブーツには撥水加工がめちゃめちゃ有効ですので
クリーニングの際にはぜひ撥水加工を指定して下さい
500円でムートンブーツが長持ちするなら安いと思います
それにかざまクリーニングでは僕のお気に入りのタラゴのナノ撥水加工で加工しています
今回ムートンブーツクリーニングについて書かせていただきましたが
いかがでしたでしょうか、このサービスの価値をお分かりいただけたら幸いです