2016年11月24日
スタジウムジャンパーにカビが生えてしまったのでできるだけ目立たなくというご相談です
まずカビが生えてしまっているのでクリーニングしてカビを取り除きます
それでもう~ん、残ってしまいましたね
これは同じ色で隠してしまうしかありませんね
オリジナルはとても柔らかい革で、半ツヤになっています
まずは色を調色するんですが、のせる色は全く同じ色ではありません
革用に当店が使用している塗料は乾くとワントーン暗くなります
だからそのトーン分は事前に差し引いたイメージで色を作ります
良く動かす腕の部分ですから市販のスプレーのように硬くなってしまっては
ゴワゴワ感が出てしまいます
なので配合する樹脂もその素材によって全て変えています
あとはツヤの感じもできる限り近づけます
仕事はこの時点でほとんど決まってきます
近い色が作れるかどうかはとても重要です
あとは基本的に革の塗装はどれだけ薄塗りにしてかつシミやカビなどを見えなくできるかというところに
神経を使っていきます
ピースガンや筆を使って塗装する場合もありますが、基本的には当店独自の意外な道具で塗装していきます
これが一番薄塗りできてしかも段差ができないきれいな仕上がりになるのです
これは企業秘密なのでご勘弁を
で、仕上がりは?
基本的にオリジナルよりもシミの色が濃い(たいがいそうなのですが)とベースの処理が重要になってきます
でもできるだけそのベースはなくした方が作業性も良いし色もなじみやすい
色々と僕なりのこだわりがあって・・笑
柔軟性はツヤ感はどうでしょうか?
下から指で押しても割れません。だからひじを曲げても大丈夫です
ツヤも一番上の写真を比べてもそうテカテカしておらず自然に仕上がっているかと思います
カビもきれいに隠れていますね
よーくみると薄く見えるかもしれませんが、これ以上塗装を厚くすることはやめました
カビをなくすのを優先するか、見た目を優先するか
このあたりの加減は僕が見極めさせていただいています
もちろん事前にとにかく塗って!と言われるお客様もいらっしゃいますから
それはそれで対応しております
だから、修復は事前にできるだけお客様のご希望などをお伺いできることが
満足していただける仕上がりにするための重要な工程なんです
今日も今お昼を片手にこのブログを書いています、笑
色々とご紹介させていただきたい事例があるんですが
できるときに時間をとって書いていかないと溜まっていくいっぽうでして
現在修復作業をお待ちのお客様、これも仕事のひとつですのでご理解下さいませ
その分昼夜を問わず作業させていただいておりますので