2016年06月17日
キャンバス地のハイカットスニーカーを黒染めしました。
黒は日に焼けるとオレンジになる傾向にあります。
青の色が抜けるからですね。これは黒に限らず他の衣類においても同じことが言えます。
例えばカーキのコートの肩が日焼けしてオレンジ色に、これも青が抜けてしまったためにオレンジになってしまうんですね。
とにかく青というのは退色しやすい色なんですね。
こういったオリジナルの色に足りない色を見極めて挿していってあげるというのが色修復の技術であります。
この色修復というのは通常細い筆で少しづつ挿していくので時間と費用がかかります。
しかし、色抜けしてしまった部分が小さければその方法のほうが時間的にも費用的にもベストだと思います。
広範囲の場合、生地によってはピースガンで吹き付ける場合もありますが、お品物によってはドライクリーニングではなく
毎回水洗いしたいものであったりする場合には黒染めしてしまうという方法も提案させていただいています。
黒染めは吹きつけと違い煮込んで染めるわけですからそれだけ染色堅牢度も高くなります。
また、どうしても落ちないシミがあった場合、色抜けが全体的にまばらにできている場合などもこの黒染めをお勧めしています。
基本的に黒染めは綿、麻、ウール、シルク、カシミヤなどの動物繊維、植物繊維は染まりますが、ポリエステル、アクリルなどの化学繊維は染まりません。
専門の染屋さんなどでは受けてくれたりするところもあるようですよ。
今回このスニーカーはウレタン底ではなかったためお受けさせていただきました。
ウレタン底は劣化が激しく染めはおろかクリーニング中にも損傷が出る場合があるので、そこのところご了承いただいてからクリーニングさせていただいています。
と、色々難しい話になりましたが、シミの状態や、生地の種類、ファッションアイテムの用途などによってできる限り良い解決方法をご提案させていただけるように今後も頑張ってまいります。
なにかご不明な点などございましたらお気軽にお問い合わせ下さいませ。