2015年01月21日
色落ちを覚悟で染み抜きする場合があります。
染み抜きする前に必ず工程をイメージします。今回は染み抜きで色が抜けることを前提に作業しました。
シミの動き方からすると、おそらくオイルとカーボンが混じったシミだったと思います。このカーボンというのは染み抜き剤で溶けません。
シミ抜きするには物理的に生地から押し出すしかありません。この洋服の染めは顔料染めです。顔料はシミ抜き剤で溶けにくい変わりに物理的な圧力や摩擦で落ちてしまいます。
ということはカーボンを落とす=色が抜けるということなんです。
最初から染色補正を覚悟で染み抜きするということです。今回は染色補正が比較的簡単にできそうだと判断したためそうしました。
一日に何十着も染み抜きするのにこの判断が早くないと追いつきませんし、シミ抜き料金も上げざるを得ません。そして昔はこのとことん追い込んでするスタイルの染み抜きが赤字を生んでいました・・・
やっと今になってスピードが追いついてきた感じです、笑
あ、そうです。カーボンのシミで思い出しました!
お仕事でボールペンをよく使われる方、ボールペンはゲルインク使っていませんか?スラスラと書けるインクのようなボールペンです。
あれもカーボンや墨と一緒で染み抜き剤で溶けません。落ちにくいです。できるなら普段からボールペンはゲルインクではないものを使用するといいと思います。
よくワイシャツのポケットの底に点々とインクの跡が残っていますが、クリーニングし続けても落ちていないものはゲルインクの跡であることがほとんどです。
お気をつけください。
今一番寒いですね。寒いとお体が辛い方も多いはず、お仕事が終わったらゆっくりお風呂に漬かってくださいね。